【役立ち知識：外国商標】 商標の外国出願 （2010/06/11）

商標権を日本で取得した場合、その効力が及ぶのは日本国内だけで、外国には及びません（これを「属地主義」と言います）。そこで、外国で商標権を行使したい場合は、それぞれの国において商標権を取得する必要があります。 　商標の外国出願の方法で最も基本的なものは、商標権を得たい国毎に直接出願する方法です。商標出願の方式は国毎に異なりますので、直接出願をする場合一般的には、出願する国の公用語で願書を作成し、現地の代理人を通して出願することになります。よって何カ国にも出願したい場合、この方法では手続が少々煩雑になり、費用もかさみがちです。 　このような場合にお勧めなのが「マドリッドプロトコルに基づく出願（通称「マドプロ出願」）」です。マドプロ出願では、国際事務局にする１件の出願のみで、指定した国（複数可）に同時に出願したのと同様の効果が得られます。ここで、指定できる国はマドリッドプロトコルに加盟している国に限られますが、アメリカ・中国・韓国・ヨーロッパ諸国等の主要国の多くの国は加盟国であり、指定できます。 　尚、マドプロ出願は日本の特許庁を経由して国際事務局にしますので、出願手続は日本の代理人が行うことになります。よって、普段接している代理人に出願手続きを任せられ、現地代理人を通す必要が無いことから、指定する国の数によっては、直接出願する場合よりも安心かつリーズナブルに外国出願をすることができると言えます。

<前へ | 一覧 | 次へ>