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【役立ち知識:特許】拒絶査定不服審判の現況
(2017/03/24)
 
 特許出願について拒絶査定を受けた後、3ヶ月以内に拒絶査定不服審判(以下「不服審判」)を請求することで、特許を受けるための再度の機会(審判請求と同時に明細書等について補正した場合には、前置審査が入ることで実質的に2回の機会)を得ることができます。

 この不服審判によって特許を受けることができる割合はどの程度なのか、特許庁が出願数等の統計を公表した「特許行政年次報告書2016年版」(※1)を参照することで概ねの数字が見えてきます。

 上記資料(「統計・資料編」第1章7.(1))によると、2015年に前置審査の段階で特許を受けることができた割合は約56.7%と考えられます。又、前置審査で特許を受けることができなかったか、あるいは審判請求と同時には補正しなかった場合の、審判部で審理され特許を受けることができた割合は約53.9%と考えられます。まとめると、不服審判を請求することで最終的に特許を受けることができた割合は約76.5%と考えられます。(※2)

 尚、上述した数値にかかわらず、例えば柔軟な補正が諸都合により難しい案件等も存在しますので、特許を受けることができるか否かは案件ごとの性質に依るところも大きいです。

 ちなみに、意匠・商標の分野にも不服審判がありますが、不服審判により登録審決を受けることができた割合は、意匠では約59.8%、商標では約64.7%となっています。






(注)
(※1)特許庁「特許行政年次報告書2016年版〜イノベーション・システムを支える知的財産〜」
(※2)特許を受けることができた割合の数値自体は特許庁が公表しているものではありませんので、計算方法により上記数値は若干上下します。本記事においては、請求人自身が審判請求を取下げ・放棄したものは、審判部で特許を受けることができなかったものに含めて計算しています。


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