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葛西特許事務所
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【Brexit関連】Brexit後の欧州における特許・商標(EUTM)・意匠(RCD)への影響について (2020/03/06) |
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英国は2020年1月31日にEUを離脱しましたが、2020年12月31日までは暫定的に離脱前の状態が維持される移行期間とされています。この移行期間後の欧州における特許・商標(EUTM*1)・意匠(RCD*2)への影響等について現在判明している事項は以下の通りです。
(*1) EUTM(EU Trade Mark)・・・欧州連合商標のことで、単一の商標登録出願により単一の商標権が付与され、その商標権の効力はEU全域に及びます。 (*2) RCD(Registered Community Design) ・・・ 欧州の登録共同体意匠のことで、単一の意匠登録出願により単一の意匠権が付与され、その意匠権の効力はEU全域に及びます。
[特許] 特許は影響ございません。 欧州の特許制度は、欧州特許条約(EPC)というEUとは独立した取り決めにより構成されており、移行期間経過後も英国は依然としてEPC加盟国に留まるためです。
[商標] 移行期間後、EUTMは、英国に保護が及ばなくなります。 しかしながら、移行期間経過前に登録に至った登録EUTM(商標の国際登録制度(いわゆるマドプロ)経由のものも含む)については、英国内において、当該登録EUTMと内容は同等ですが独立したクローン英国商標登録が作成されます。このクローン英国商標登録の作成には、庁手数料がかからないとされていますが、その後の更新には、対応登録EUTMとは別途更新料がかかる模様です。
尚、英国での権利保護を望まない場合は、クローン英国商標登録の作成を辞退(オプトアウト)することもできます。 一方で、移行期間経過時に係属中であったEUTM出願については、9か月以内にそれと同等のクローン英国商標出願(出願日や優先日が維持されます)を行うことができます。 ただし、クローン英国商標出願には、庁手数料がかかる模様です。
[意匠] 上述の商標と概ね同様です。移行期間後、RCDは、英国に保護が及ばなくなります。 しかしながら、移行期間経過前の登録RCD(意匠の国際登録制度(いわゆるハーグ出願)経由のものも含む)は、英国において同じ内容で再登録されます。以後、英国における再登録は当該対応RCDとは独立した別の権利となります。この再登録には、庁手数料がかからないとされていますが、その後の更新には、当該対応登録RCDとは別途更新料がかかる模様です。
尚、英国での権利保護を望まない場合は、再登録を辞退(オプトアウト)することもできます。 RCD出願はすぐに登録されるためあまり問題にならないことが想定されますが、もし移行期間経過時に係属中のRCD出願がある場合、9か月以内にそれと同等の英国意匠出願(出願日や優先日が維持されます)を行うことができます。 ただし、上述の英国意匠出願には、庁手数料がかかる模様です。
参考ホームページ: ・英国政府 関連ホームページ (特許) Changes to SPC and patent law from 1 January 2021
(商標) EU trade mark protection and comparable UK trade marks from 1 January 2021
(意匠/一部商標) Changes to EU and international designs and trade mark protection from 1 January 2021
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