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【役立ち知識:意匠】関連意匠制度の活用
(2015/07/01)
 
 関連意匠制度とは、出願人の本意匠に類似する意匠でも、本意匠の意匠公報の発行日前までに出願する等所定の要件を満たせば、関連意匠として登録が認められる制度のことです。

 本意匠と細部の違いは存在するがデザインコンセプトは同じであり、別途バリエーションとして販売が予想されたり、競合他社の巧妙な模倣が考えられたりする態様を関連意匠として登録しておくことで、権利の効力範囲の拡大を図ることができます。
 又、本意匠と関連意匠との間の意匠も類似である(=効力範囲内である)と明確化することにも繋がります。

 このとき、未だ販売を開始しないバリエーションの関連意匠について、秘密意匠制度を併用することによって、関連意匠として登録されながらも一定期間(登録日から最大3年間までの希望する期間)公開されないようにしておくこともできます。
 関連意匠に係る出願は、本意匠の出願日から約1年以内(審査にかかった期間と公報発行までの期間によって前後します)に行う必要がありますので、2〜3年後に販売する予定だが他社には知られたくないバリエーションを関連意匠として権利を確保しておきたい場合等に有効です。

 又、部分意匠制度というものがあります。部分意匠として登録された意匠権の効力は、物品全体の形態が異なっていても当該「部分」が類似している物品に対して及び得ます。即ち、特定の部分に特徴のある意匠に対して保護を強化することができる制度です。
 この部分意匠制度と関連意匠制度を併用することにより、更に多面的にその意匠を保護することも可能となります。(尚、その際は本意匠及び関連意匠の双方とも部分意匠とする必要があります。)

 例えば、本意匠と対比して物品全体の形態はほぼ同一であるが、意匠登録を受けようとする部分の位置等が異なる関連意匠を登録することにより、部分意匠に係る意匠権の効力範囲として考慮される、物品全体の形態における当該部分の占める「位置、大きさ、範囲」を狭く解釈されないようにカバーすることができます。
 逆に、物品全体の形態が異なっているが当該部分が類似である関連意匠を登録することにより、物品のバリエーションを増やしたり、当該部分が類似であれば物品全体の形態が異なっていても権利の効力の範囲内であることを具体的に明確化したりすることもできます。


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