【役立ち知識：著作権】著作者人格権 （2015/12/15）

著作物を創作した者（著作者）が有する権利には、「著作権」の他に、「著作者人格権」があります。著作権は、財産的な利益を保護する権利であり、著作財産権とも言われ、複製権等の複数の権利からなり、その一部又は全部を譲渡等することができます。一方、著作者人格権は、著作者の人格的な利益を保護する権利であり、著作者のみが持つ権利で、譲渡等することはできず（一身専属権）、著作者が亡くなると消滅します。 　著作者人格権として、「公表権」、「氏名表示権」、「同一性保持権」が定められています。 　公表権は、著作者の未公表の著作物を公表するかどうか、又、公表するなら、いつ、どのような方法で公表するかを決定できる権利です。 　氏名表示権は、著作者の著作物を公表する際、著作者の氏名を表示するかどうか、表示するなら、実名か変名かを決定できる権利です。 　同一性保持権は、著作者の著作物及び題号を、著作者の意に反して勝手に変更等されない権利です。 　ところで、企業活動において、外部のフォトグラファーに自社製品の写真撮影を依頼したり、外部のデザイナーにイラスト制作を依頼したりすることがあると思います。この場合、依頼した企業としては、譲渡された写真やイラストを自由に活用したいと考え、著作権の譲渡契約を結びます。ここで注意すべきことは、著作権の全部を譲渡しても、著作者人格権を行使される虞が残ることです。そこで、譲渡契約書において、著作者が著作者人格権を行使しない旨の「著作者人格権の不行使特約」を盛り込むことで、企業は安心して写真やイラストを活用できます。但し、著作者の名誉を傷つけることのない用い方が求められます。

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