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【役立ち知識:意匠】意匠の利用
(2017/02/27)
 
 意匠権の効力は、登録意匠及びこれに類似する意匠にまで及ぶとされていますが、この意匠の類似関係が成立するには、意匠に係る物品が同一または類似であることが前提となります。

 そうすると、ある物品について他人の登録意匠がある場合に、これと同一又は類似の意匠を現したものを、そのまま全く別の物品に組み込んだ場合、どうなるでしょうか?

 例えば、他人がハンドルの意匠について意匠権を有する場合において、そのハンドルをそっくりそのまま用いた自転車の意匠を創作したような例が挙げられます。

 この例では、ハンドルと自転車とでは物品が異なりますので、両意匠は非類似となり他人のハンドルの意匠に係る意匠権の効力が自転車の意匠の実施行為には及ばないようにも思われます。

 しかしながら、ある意匠が、その構成要素中に他人の登録意匠又はこれに類似する意匠の全部を、その登録意匠の特徴をそっくりそのまま残した状態で、他の構成要素と区別できる態様で取り込んだ包含関係があり、当該意匠を実施すると必然的にその登録意匠を実施するような関係にある場合、当該意匠は、その登録意匠を利用するものとされ、当該意匠の実施が制限される場合があります。

 上述の例では、ハンドルの意匠を実施しなければ、自転車の意匠を実施できないので、自転車の意匠の実施が制限される場合があります。

 このように、他人の登録意匠がある場合は、それに類似していないかどうかだけではなく、利用関係になっていないかどうか注意する必要があります。


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