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【役立ち知識:著作権】JASRACと演奏権
(2017/08/04)
 
 音楽の権利管理団体である一般社団法人日本音楽著作権協会(JASRAC)が、音楽教室に対して著作権料の徴収を行う旨を発表し、世間を賑わせました。これに対し、大手音楽教室を中心とした音楽教育を守る会が、JASRACに徴収権限はないことを確認するための訴訟を東京地方裁判所に提起しています(東京地方裁判所 平成29年(ワ)第20502号)。

 この訴訟では、音楽教室における講師の模範演奏や生徒の練習演奏等に対して、著作権の一つである演奏権が及ぶのか否かが争点の一つになっています。

 演奏権は、著作者が専有する権利で、著作物を公衆 に直接見せ又は聞かせることを目的として上演し、又は演奏する権利です。但し、一定の要件を満たす教育機関での演奏や非営利の演奏に対しては、例外的に演奏権が及びません。

 ここで、音楽教室は、通常月謝等を徴収しており営利性があるため、微妙な立ち位置にあると言えそうです。加えて、歌謡教室やダンス教室等に対しては、既に著作権料の徴収が行われているようですので、その辺りとのバランスがどのように考慮されるかも気になるところです。いずれにせよ、今後の司法判断が待たれるところです。



*)「公衆」とは一般的に不特定の者を指すと考えられますが、著作権法でいう「公衆」には特定かつ多数の者が含まれます。そして、特定かつ少数の者は、公衆に該当しないことになります。
 但し、この公衆に該当するか否かは、一律に決まっているものではなく、ケースバイケースで判断されます。例えば、一見すると特定かつ少数の者が対象のように思われるものであっても、希望すれば誰でも利用できる場合などは、不特定の者が対象になると考えられ、公衆に該当することになります。
 文化庁のホームページにおいては、「例えば、『上映』について言うと、1人しか入れない電話ボックス程度の大きさの箱の中でビデオを上映している場合、『1回に入れるのは1人だが、順番を待って100円払えば誰でも入れる』というときは『公衆向けに上映した』ことになります。」と例示されています。

http://www.bunka.go.jp/chosakuken/naruhodo/outline/4.3.html


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