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【法改正情報:意匠法】関連意匠制度
(2022/02/01)
 
 関連意匠制度とは、自己の出願中又は登録済の意匠のうちから選択した1の意匠(これを「本意匠」と言います)に類似する意匠(これを「関連意匠」と言います)について登録を認める制度です。意匠法では、先に出願された意匠に類似する意匠は、原則として登録が認められませんが、この制度を利用することにより、出願人が同一である等の要件を満たせば関連意匠として登録を受けることができます。
 現在の関連意匠制度は、令和元年の改正により、従前の制度と比べ以下のような点が変更されました。

(1)関連意匠のみに類似する意匠も登録可能に
 出願中又は権利存続中の自己の意匠であれば本意匠とすることができます。そして本意匠とその関連意匠Aとが在るとき、本意匠には類似しないが関連意匠Aにのみ類似する意匠を、「関連意匠Aを本意匠とする関連意匠B」として登録を受けることが可能です。従って、関連意匠Aに類似する関連意匠Bに類似する関連意匠C…というような連鎖的な出願が許容されます。
 これにより、モデルチェンジを繰返した結果、初期モデルと現行モデルとの間に意匠上の隔たりが生じた場合でも、関連付けを適切に行えば、現行モデルの保護も図れると考えられます。

(2)関連意匠の出願可能期間の延長
 一連の関連意匠出願があるとき、最初に本意匠として選択された意匠を「基礎意匠」といいます。関連意匠を出願できる期間は、従前は本意匠の意匠公報発行までであったのが、基礎意匠の出願日から10年までに延長されました。これは即ち、出願日が現在から10年前までの登録意匠であれば、それを基礎意匠として関連意匠出願できることを意味します。但し、基礎意匠を本意匠としない関連意匠を出願する場合であっても、出願可能期間は基礎意匠の出願日から10年となる点に留意する必要があります。又、関連意匠の設定登録の際、本意匠の意匠権が消滅していないことが必要です(基礎意匠については消滅していてもよい)。尚、関連意匠の存続期間は、基礎意匠の出願日から25年です。

(3)先願、新規性、創作非容易性の規定の適用除外範囲の拡大
 関連意匠の関連意匠も登録可能としたことに伴い、基礎意匠及び一連の関連意匠は、後の関連意匠出願に対する先願の規定から除外されます。又、関連意匠の出願可能期間を延長したことに伴い、基礎意匠及び既存の関連意匠と同一又は類似の公知の自己意匠については、新規性及び創作非容易性の判断資料から除外されます。
 但し、公知となった自己意匠が、出願拒絶されたり権利放棄されたりした自己意匠と同一又は類似の場合、この公知となった自己意匠は、後の関連意匠出願の新規性及び創作非容易性の判断資料として取り扱われます。このため、基礎意匠や関連意匠の一部を権利放棄すると、それが、その後の関連意匠出願の拒絶理由となる可能性があります。


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