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【役立ち知識:商標】 商号と商標とが交錯する場合の対策についての考え方
(2005/09/07)
 
商号は営業主体を識別するものであり、商標は商品又は役務(サービス)を識別するものであり、本来的にはこれらは異なったものです。しかし、商号の使用形態によっては、商標的な使用となる場合があり、商標と交錯する場合が生じます。

 商号の類似範囲に登録商標が存在している時には、その商号を商標的に使用すると、それが正式に登記されていたとしても、原則的にその登録商標の商標権の侵害となります。
 ここで、商標的使用とは当該商号を会社名として使用するのではなく、一般消費者や取引者等から見てその商品の商品名(又はその役務の役務名)であると判断されるような使用態様を言います。
 逆に言えば、当該商号を会社名と誰が見ても分かるような本来的な使用態様(商号的使用態様)で使用していれば、仮にその商品又は類似商品等に対して他人の登録商標が存在していても商標権侵害にはなりません。

 尚、他人の商標が未登録の場合、商号の商標的使用は原則的には問題ありませんが、該当する商標が登録された場合を想定しておくのが賢明と思われます。即ち、事前に商標調査をしておき、対象となる商品等を前提として当該商号を商号登記のみならず、商標登録しておくことをお勧めします。
 商号登記だけであれば、後に他人が商標出願によって商標登録を受けた場合、当該商号を継続的に使用していたとしても、その商標権に抵触する可能性がでてくるからです。

 尚、上記の登録商標との問題は主に商標法によって生じます。しかし、他人の商品名等が著名、周知の場合は、その商品名が商標登録されていない時でも不正競争防止法によって同様の制限を受ける可能性もあるので、注意を要します。


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