【法改正情報】特許異議申立制度の復活 （2014/09/01）

かつて特許法上に存在していた「付与後特許異議申立制度」は、特許権の発生後、公衆に対して審査の見直しの機会を与えることで、特許に対する信頼性を高めることが目的でした。ですが当時、その制度は利害関係人の紛争解決手段として利用されることが多く、本来の目的が十分果たされていませんでした。 　そのためこの制度は2003年に廃止されました。又、それに伴い、利害関係人に請求が限られていた特許無効審判制度は、誰もが請求できる現行の制度に変わりました。 　ところが今度は、特許権者はいつ誰から特許権の無効を訴えられるか分からなくなったため、権利が不安定化するという問題が生じています。 　そこで近々施行される特許法の改正により、特許異議申立制度を復活させ、利害関係人以外は特許掲載公報の発行の日から６ヶ月以内に限り特許権の無効を訴えられるようにすることで、特許権の早期安定化が図られます。 　尚、旧制度では異議申立人には意見書提出の機会が認められていませんでした。しかし、新たな特許異議申立制度では、特許権者から特許請求の範囲等の訂正の請求があったときには、特許異議申立人に対し意見書を提出する機会を認めることにより、制度の利便性向上が図られます。 　ちなみに新たに特許異議申立制度が復活しますと、特許無効審判を請求できるのは利害関係人のみとなります。

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