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【役立ち知識:意匠】不登録事由
(2023/02/24)
 
 新規性や進歩性、工業上の利用可能性といった意匠の登録要件を満たしている場合であっても、次の(1)〜(3)に該当する意匠は、公益的な観点から意匠登録を受けることができません。

(1)公序良俗に反する意匠
 例えば、日本や外国の元首の像や国旗、皇室の菊花紋章や外国の王室の紋章等を表した意匠は、国や皇室又は王室に対する尊厳を害するおそれがあるため登録されません。

(2)他人の業務に係る物品、建築物又は画像と混同を生ずるおそれがある意匠
 他人の周知・著名な商標や、これとまぎらわしい標章を表した意匠は、当該他人に関係するものと混同されるおそれがあるため登録されません。

(3)物品の機能を確保するために不可欠な形状若しくは建築物の用途にとって不可欠な形状のみからなる意匠又は画像の用途にとって不可欠な表示のみからなる意匠
 これに該当する意匠は本来特許法や実用新案法で保護されるべき技術的思想の創作であるなど、意匠法で保護するには適さないものであるため登録されません。
 例えば、次のような意匠が該当します。
 ・物品の機能を確保するために必然的に定まる形状のみからなる意匠
(例:「パラボラアンテナ」の内面側部分のみについて意匠登録を受けようとする意匠)
 ・建築物の用途により必然的に定まる形状のみからなる意匠
(例:「ガスタンク」の球形状の本体部分のみについて意匠登録を受けようとする意匠)
 ・物品の互換性確保等のために標準化された規格*により定まる形状(準必然的形状)からなる意匠
(例:公的な標準化機関により全体の形状が規格化された「磁心」の意匠)
 ・建築物の用途等に照らして標準化された規格*により定まる形状(準必然的形状)からなる意匠
(例:公的な標準化機関により規格化された点字ブロックの部分のみを、意匠登録を受けようとする部分とした「プラットフォーム」の意匠)
 ・画像の用途にとって不可欠な表示のみからなる意匠
(例:道路標識表示部分について意匠登録を受けようとする「道路標識用画像」の意匠や、公的な標準化機関により規格化された表示のみを、意匠登録を受けようとする部分とした「自動車用状態表示画像」の意匠)

*上記(3)の例示における“標準化された規格”には、例えば一般財団法人日本規格協会が策定するJIS規格(日本産業規格)等が該当します。


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